現在の社会情勢において多くの市町村では、開かれた市政、開かれた議会が望まれています。もちろん、どの地域の市政及び市議会も、様々な形で情報開示に取り組んでいることは間違いありませんが、その開示方法は一方通行の業務的なものであることは否めません。また、政治への関心が薄くなっているという課題に、正面から向き合って問題解決に取り組むも、明確な答えを出せないでいるのが現状だと言えます。
そんななか、上田市では来る平成30年3月に市長選・市議選を迎えます。この選挙は市民にとって政治の中で一番身近なものであり、自分たちへの影響が大きいであろう上田市政に関心を持たせる唯一のチャンスでありながら、自分たちの1票をどのように行使したら良いのかがわからないままに投票日を迎えている人が大多数ではないかと思っています。
そこに輪をかけて、平成29年に施行された法改正によって18歳から選挙に参加できるようになりましたが、若者たちが持つ1票の権利を誰に託すべきか判断するため必要な情報をわかりやすく提供しないことにも問題があると考えます。
時代は刻一刻と変化し続けており、情報の世界は留まることなく進化しています。その影響を受ける形で世代による情報の取得環境が違ってきています。昔ながらの方法で情報を手にする年代の方から、今どきのインターネット環境を活用して情報を収集する若い世代まで、世代が違ったとしても有権者の1票の価値が同じであるならば、世代を問わずできるだけ多くの人が立候補者の情報を知った上で投票を行うことが、市民の意思を反映した政治として、地域の未来を創っていくことになるのではないかと思っています。
この度、10代から30代までの若者を対象に独自アンケート調査を行った結果、公職選挙法の改正によって選挙権を得た18、19歳をはじめ多くの若者たちが、前回行われた国政選挙などの経験から、選挙の情報の少なさなど、投票の意味について疑問を持ち始めていることがわかりました。18歳から22歳の若者にとっては初めてとなる一番身近な市政選挙であるため、その価値ある1票を誰に託すべきか、自ら調べ、吟味することができる環境を提供する必要性を感じました。
そこで、今回、立候補予定者などの情報がわかりやすくまとめられた環境の整備として、上田市政治&選挙の情報サイトの構築に取り組みました。有権者にとっては候補者の情報をわかりやすく、立候補者にとっては自身の主張を伝えやすい、情報の共有環境を目指したものとなります。
内容としては、市政に取り組む方々がどんな人なのか、また、どんな取り組みを行っているのか、上田市についてどんな想いを持っているのかなど、若者をはじめとした有権者の方々が知りたい情報が掲載されるものを目指します。
この環境が直接的に上田の市政に影響するわけではありませんが、時代の変化とともに変わりゆく情報環境への対応策の一つとして、また、世代を越えた情報共有による政治への関心を引き継いでいくための礎になることを願って、地域貢献活動の一環として皆様にご提案させていただく企画とします。
特定非営利活動法人UFM
理事長 池松 勇樹